TIPS ON TAPS

 1937年に発行された振付の本です。縦30.5BX横23Bのちょっと大きめのサイズ。振付のステップが書かれていて、それ用にアレンジされた楽譜がいっしょに載っています。EDWARD B.MARKS MUSIC CORPORATIONとは大手の楽譜出版社でして、他のこの類いの振付本より譜面がしっかりしています。つまりこれはダンス関係者によって作られた振付本というより、楽譜出版者が楽譜を売るためのアイディアとしてタップの振付を付けて販売したという感じの本です。昔はナイトクラブなどでは生のバンドが入っていて、そういう場所で仕事をする場合、衣装や振付といっしょに必要なのが楽譜でした。この本はたぶんアマチュアレベルで使われていたものでしょうが(学校の学芸会とか、パーティの余興にとか)振付のステップと、それにあうアレンジされた楽譜をセットにして売るというのはとても利にかなっている商品だと思います。全部で7つの作品が載っています。

1)Waltz Clog /初心者向けのワルツ/曲は[Chimes Of Spring]というなじみのない曲。

2)Military Tap/子供の初心者向けのマーチ/曲は[March Of The Siamese]

3)Eccentric Tap/中級者向けのコメディチックなナンバー/曲は[By Heck]

4)Intermediate Tap/中級向けのスイングタップ/曲は[Gotta Go To Work Again]

5)Truckin' On Down/上級者向けのコットンクラブスタイルのナンバー/曲は[Sugar Foot Strut]

6)Advanced Tap/上級からプロ向きの軽いミディアムテンポのナンバー/曲は[Lazy Moon]

7)Soft Shoe Tap/上級からプロ向けのソフトシュ−ナンバー/曲は[Ida,Sweet As Apple Cider]

この振付を書いている人物のプロフィールを見てみましょう。

「ERNEST CARLOS GONZALES/6000人の教え子を持つカルロスは今世紀になってまもなくハバナで生まれ、それゆえ本能的にラテンの優雅さと、アフリカのエキゾチックなしなやかさを身に付けた。(なんのこっちゃ?)子供の時アメリカへ渡り、フロリダのジャクソンビルに住む。15歳の時に有名は「スネークヒップダンス」を考案。のちにニューヨークで広まる。カルロスは最初にブロードウェイで「スネークヒップ」をパフォーマンスした人物で、それ以来ニューヨークに留まりダンス界に訓示している。1927年から教え始める。この[TIPS ON TAPS]を出版するにあたり、カルロスは新しいモダンなルーティーンを創作するために沢山の時間を費やしました。この本には今日もっとも際立ったタップダンサーたちに使われている7つの適した振付が納められています。カルロスから教えを受けた映画やブロードウェイに出演した踊るスターたちは数知れず。世界中から彼の元にやってくる、、、英国、フランス、スコットランド、オランダ、ハワイ、オーストラリア、ニュージーランド、それにカナダ。もちろんアメリカ国内からも。ニューヨークの中心にある彼のスタジオは我が国でもっとも大きく、完璧にそろっているスタジオです。」その後に彼に師事したスターの名前が載っています。パッと目に付くのはRay Bolgerと「幻のタップダンサー 」で紹介したGeorgie Tappsぐらいでした。30年代にタップを仕事にしてる人でラテン系というのがちょっと異色だったんじゃないかと思います。「南米の中川三郎先生」といった印象を受けます。

 2〜3ページにわたり、ステップの種類とカウントで振付が表示されている。これ全部解読するのはかなり根気がいると思う。  さすが楽譜屋さんの楽譜である。ピアノ用のアレンジで、歌詞が載ってる曲もある。五線譜の上にウクレレのコードも表示してある。

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