ニューヨーク・タップ・ストーリー

 1987年1月10日に東京音楽社から出版された本です。著者はマリカ(丸子睦未)さんです。ジャズとタップの先生として、そのお名前を御存知の方も多いはずです。大きく分けて5章からなるこの本は、実用編としてステップの解説なども載ってますが、教則本としてよりも読み物としてのほうに重点がおかれています。またこの著者の文章がすごくおもしろい!ありがちなよそよそしさがなく、本音をツンツンつっつくし、ちょっと人をおちょくってる気もしますが、けっこうシビアな切り口が気持ちよくて僕はツボにはまりました。たとえば最初の章でニューヨークのオーディションについて書いてあります。「なぜオーディションを受けるのでしょうか?仕事がないからです。なぜ仕事がないのでしょうか?その人に仕事を紹介してくれる人がいないからです。なぜそういう人がいないのでしょうか?この人のためだったらぜひ力になってあげよう、そう思わせる魅力がその人にないからです。つまりオーディションを受けるのは人からよい話しを持ってきてもらえない人です。(中略)したがって受けたオーディションの数を自慢するほど愚かなことはありません。」とこんな感じの文章が続きます。第2章は著者が接したニューヨークの先生方の事が書かれています。ロバートオーディ−、ジュディ−バッシング、ジェリーエイムス、など最近あまり耳にしない先生がたのエピソードが書いてあり、興味をそそります。第3章ではタップの歴史に入ります。100ページにわたって書いてありますが、要点がそれぞれ短い文章にまとめられていて、拾い読みもできるし、「フラッシュアクト」「ボードビル」など、タップダンサーが知っておいてよいキーワードを整理するのにとても便利です。第4章はステップの解説が一応あり、第5章はウェアやシューズについてです。僕はこの本大好きです。日本のAmazon(インターネットの本屋さん)でこの本を検索してみたら、今でも取りよせで入手できるみたいですよ。

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