Mr.Musical Comedy

 めずらしいダンデイリーのリーダーアルバムです。アメリカの中古レコード屋でボーカルやイージーリスニングのLPのコーナーをあさっていると、よくこのTOPSというレーベルのレコードを目にします。ハッキリ言ってB級レーベルなんですけど、このレコードに関しては、出来の良いアルバムになってました。演奏のERNIE FELICEはアコーディオンをフューチャーしたバンドで、大手レーベルのキャピタルにもリーダーアルバムがあります。その気持ちの良い演奏に合わせてダンは12曲歌っています。その内の2曲「I Still Get Jealous][You're My Girl]でタップを踏んでいます。どちらもミディアムスローのテンポで、ソフトシューぽいステップを聞かせてくれます。どこかボードビルの雰囲気がただよっています。

 ダンデイリーは1940〜50年代に映画で活躍した大スターなのですが、アステアやケリーのように語られることはまずありません。アステアのような洗練されたところはなく、ケリーのように強い個性もない。なんか印象に残らない、中途半端なタップをやる人、というのが僕の彼の位置付けでした。映画の中の役柄も、人は悪くないが、ちょっと無神経なところがある野暮ったい男というのが多かったせいもあり、あまり好きなスターではありませんでした。しかし最近になって彼の映画を見返してみると、ある意味でボードビルのSong And Dance Manのスタイルを一番受け継いでいるダンサーだということに気がつきました。ほんとにサラッと踊るんですよ。一見地味だけど、良く見るとすごくおもしろいステップをやってたりして。そんな感じで最近彼の位置付けがグンと上がってしまいました。ダンの映画は主に20世紀フォックス社にあり、Betty Grable と何本も共演していましたが、残念ながらそのほとんどが日本未公開。作品自体に名作と言えるものがないのも、彼が語られない理由の一つだと思います。日本でも知られている彼の作品は「ショーほど素敵な商売はない」がありますが、これはマリリンモンローの出演作という価値のが大きく、ダン自体もタップの見せ場はありません。あとはMGMでジーンケリーと共演した「いつも上天気」がありますが、Song and Dance Man的な魅力はやはり、40〜50年代に撮ったフォックス社の主演映画のほうにあります。アステアのように誰でもビデオが入手可能ですぐ見れるスターとちがい、ダンのように、ディープなミュージカル映画ファンにしか見る機会がないというのが実に淋しい情況でございます。

Dan DaileyとBetty Grable / [Call Me Mister]のロビーカード

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